趣味でのドローンを楽しむはもちろん、様々な分野でドローンの利用が企業が中心となり始まっております。
2022年の資格化以降は、第三者上空での飛行が可能となっており、物流分野での産業利用の拡大が期待されております。
ドローン自体の能力はシンプルですが、他の何かと上手く掛け合わせ力を存分に発揮します。
ドローンはインターネットと現実を繋ぐインターフェイスになっていく可能性を秘めております。
今は人がドローンを直接操作し業務を行う事が主流ではありますが、今後将来的にAI(人工知能)と紐付くことによって、自動飛行が主流になる事で最大限に能力が活かされます。
人に例えるとAI(人工知能)は脳、ドローンは手足に例える事が出来ます。
人工知能が計画した事を、ドローンが自動で実行するというイメージになります。
全業務(離陸〜業務実行〜完了〜帰還〜自己充電〜待機)を人の手を介さずに自動的に行うSFのようなハイテク未来がすぐそこまで近づいています。
ドローンが持つ能力について
飛行
地上の状態に左右される事なく目的地上空に向かうことが簡単に可能です。
・高所
・水辺
・崖
・崩れそうな不安定な足場
など、人の立入が困難な場所でドローンを活用する事が出来ます。
・垂直離着陸
空港のように滑走路を設置する必要が無く、離発着が容易になっております。
限られたスペースでの運用が誰にでも出来ます。。
・ホバリング(空中停止)
定点にヘリコプターのように留まることが簡単に出来ます。
市販されているドローンには、GPS機能を搭載しているものが大半です。
風が吹いたとしてもドローン機体が流される事がなく、その場で停止が可能です。
・積載
・カメラ
・農薬のタンク
・物資
など、用途に応じて物をドローンの機体に搭載する事が可能です。
ただし、ドローンによっては搭載できる重量が決まっておりますので事前に確認しておく必要があります。
機体が大型になるほど、より重い物を簡単に搭載が可能になります。
・遠隔操作
離れた場所から簡単に操縦する事が出来ます。
ドローンの操縦はプロポ(送信機)を通じ電波を使って行います。
数㎞先まで操縦が可能となっております。
・自動操縦
自動操縦により作業効率を簡単に向上させることが出来ます。
事前に設定したルートを飛行する事が可能です。
一定の間隔で写真、動画の撮影が必要な空撮測量、定期的に同じルートを飛行する物資輸送、警備業務などに活用されます。
〜活用事例〜
空撮
GPSの発達により誰でも手軽に空撮を楽しむ事が出来るようになりました。
ドローンに搭載されているカメラで鳥の視点で写真、動画の撮影が可能です。
通常カメラでは不可能な高いアングルからのダイナミックな写真や、ジンバル(手ぶれ補正の機能)が付いたドローンでは映画のワンシーンを撮影するように滑らかな映像が撮る事が出来ます。
最近のドローンには高性能になっており、様々な自動撮影モードが備わっているため手軽に空撮が楽しむ事が出来ます。
代表的な自動撮影モードについて
・フォローミー 対象を追尾して撮影します
・ドローニー 対象から上昇後退し遠ざかりながら撮影します
・サークル 対象を中央に捉えながら周回の軌道で撮影します
点検
危険な高所や人が立ち入る事が観完全に困難な場所でドローンが活躍します。
高所作業車や足場の設置する事なく、工期短縮、コスト削減に繋がるメリットもございます。
ズームカメラ、赤外線カメラを搭載しているドローンによる非接触点検が主流です。
点検対象に近づいて飛行する場合は、
・接触
・墜落
などのリスクがありますが、ズームカメラを活用する事によって距離を保って安全に点検を行う事が出来ます。
赤外線カメラは点検対象によっては必要画素数、計測温度範囲が異なる場合があるので必ず導入時には注意が必要になります。
・屋根点検
可視カメラを用いて損傷している箇所を確認します。
台風などによって家屋の屋根の被害状況を把握する場合に使います。
屋根に隠れる事でドローンが直接見えない状況(目視外飛行)になる場合があるため、電線などの障害物を予め把握しておく必要がございます。
・ソーラーパネル点検
可視カメラと赤外線カメラを上手く使用しながら行われます。
異常部分(ホットスポット)を赤外線カメラを使って発見します。
・構造物の壁面点検
可視カメラと赤外線カメラを活用しながら行われます。
クラック(ひび割れ)、浮きなどの異常を温度の違いにより探します。
・壁の色
・日当たり
・時間
等によって赤外線カメラのムラが出る場合があるので、誤差を加味しながらの点検が必要になります。
・インフラ点検
高架下、トンネルなどのにおいては、電波の関係でGPSが正常に動作しない場合が想定されます。
また明るさも不十分な場合もあるため、ビジョンセンサーの他にレーザーを装備している、非GPS環境でも自律飛行が出来るドローンが活躍しています。
・工場設備点検
ドローンの飛行空域に配管などの障害物が多数存在している場合は、回避が困難な場合がございます。
点検対象への接触を前提として、機体全てをケージで覆い接触したとしても問題ない状態のドローンにより点検が実施されております。
測量
ドローンの自動飛行機能、測量ソフトを用いて空撮測量を行う事が可能です。
ドローンによる測量の流れ
・飛行計画
・飛行空域確認
・GCP(対空標識)設置
・ドローンの自動飛行によるオーバーラップ撮影
※縦方向80%以上、横方向60%以上
・測量ソフトにて写真解析(解析オルソ画像、点群データ)
・図面化
・精度
GPS(衛生測位システム)のみ 約±2m程度
RTK(リアルタイムキネマティック) 約±1.5㎝程度
ドローン機体にレーザーを搭載する場合は、草木の高さなどのノイズを除去したより精度の高い測量が簡単に可能です。
・災害時の土量計算
人の立入りが難しい場所であっても被害状況を確認する事に有効です。
迅速に復旧計画を立てる事が出来ます。
・公共測量
国土交通省の測量のマニュアルに沿う精度での測量が必要になります。
農業
農薬の空中散布を行う事が可能です。
ドローンによる散布面積の割合は日本国内の水稲作付面積の30%、水稲防除における面積は約90万ヘクタールに達しております。
参照※平成28年度農林水産航空事業の実施状況(農林水産航空協会発行)
5〜16ℓ程度のタンクを搭載して、1ヘクタールを約10分で散布が出来ます。
※動力噴霧機の場合1ヘクタール約3時間(ドローンは18分の1の時間で散布)
液剤散布だけで無く、粒剤散布(発芽しやすいようにコーティングされた稲の種など)にも活用されております。
搭載ユニットを交換する事によって散布仕様が変更できるものが大半です。
大型になるとGPS・RTKを利用してエリアを指定し自動飛行によって効率的に散布を行う事が出来る機体もございます。
・リモートセンシング技術の利用
従来は生産者の目視確認によって育成状況が判断されていましたが、ドローンに搭載されているマルチスペクトルカメラの(青、緑、赤、レッドエッジ、近赤外5つの波長撮影可能)と解析ソフトを用いて農作物の育成状況を把握する事が可能です。
作物の種類、地域によってデータ傾向が異なるため、データが揃うまでのあいだは目視確認と画像データを照らし合わせながらドローンを活用する流れとなります。
鳥獣害対策
赤外線カメラを用い、上空より害獣の場所を把握する事が出来ます。
地上の猟師と上手く連携を取る事で有利な場所まで戦略的に追い込む事に利用されています。
スピーカー機能を使用して天敵の音声を流す事によって、
・害獣
・害鳥
等を簡単に追い払う事にも使用されています。
救助活動
投下装置を利用して救命用具を要救助者に届ける事が可能です。
災害時でも雨や風に強いドローンもあり、災害時に捜索活動を行う事も出来ます。
ドローンが映し出す映像を、共有しながら別の場所で見る事が出来る機能が備わったものもございます。
山間部での捜索活動では救助のため赤外線カメラが活躍します。
スピーカー機能が備わったドローンを利用して、避難を呼びかける事も簡単に出来ます。
物資輸送
自動飛行機能を用い、予め設定したルートを飛行して荷物を配送する事が簡単に可能です。
今では、離島や山間部への荷物輸送にドローンが利用され始めております。
運べる荷物の量は、ドローンの機体によって異なります。
現状の荷物配送では現状2㎏程度が一般的です。
今後、配送業において集荷倉庫からのラスト1マイルの部分をドローンが請け負う事が出来るように期待されております。
倉庫管理
物流の拠点となる倉庫管理業務において、スキャナーを搭載している屋内型のドローンを利用する事で効率的に棚卸し業務が行う事が出来ます。
予めドローンの飛行可能エリアをプログラムして、人の手が届きにくい場所を簡単にドローンが請け負います。
防犯・警備
プログラミングによって定期的なルート警備を行う事が自由に可能です。
管轄エリアの中でドローンが人の代わりに24時間待機しており、異常を検知した場合は現場に飛行してカメラで録画を開始します。
対象との距離を保ちながら、情報を警備員に送ります。
地上から有線で電源を供給して長時間定点監視が行えるドローンもございます。
エンターテイメント
・ドローンレース
時速100㎞以上のハイスピードでフラッグやゲートをくぐり抜けタイムを競います。
FPVゴーグルを利用してドローン視点での操縦が楽しむ事が出来ます。
5.7ギガヘルツ帯の電波を使用している場合が多く、趣味で利用する場合は、アマチュア無線4級以上の免許が必要です。
業務利用の場合は、「第三級陸上特殊無線技士」の免許が必要です。
・ドローンフライトショー
LEDを搭載しているドローンのプログラム飛行によって、夜空に模様を描きます。
数十機から数千機まで規模は様々です。
最近では東京オリンピックの開会式にドローンを使ってフライトショーが行われました。
まとめ
ドローンの能力を含め活用事例をご紹介させて頂きました。
現状は、
・点検
・測量
・農業
・空撮
等でのドローン利用が大半ですが、2022年度のドローンの国家資格化に伴い、「一等資格」が創設された事により、第三者上空での目視外飛行が可能となります。
これによって、都市部での物流でのドローン利用が本格的に開始される見込みです。
私たちと共に、ドローンの利用に必要な基礎知識と操縦技術を身に付けていきましょう。